レッスンで大切にしたいコミュニケーション


|小学3年生のRさん いつもと様子が違うけれど…

いつもにこにことレッスン室に入って来てレッスンの前には、いろいろなお話を聞かせてくれるRさん。ある日の事、何となくいつもと様子が違うので、「どうしたの?何かあった?」と聞きました。でも、「いいえ。ありません。」と答えるだけです。

 

「じゃあ、疲れてるんじゃない?大丈夫?」と聞いたら、実は...とその日あった話を聞かせてくれました。「そっか、それは落ち込んじゃうね。今日は無理をしないでやろう。」と伝えると、少し落ち着いたようでレッスンに向かってくれました。

 

いつものようにソルフェージュから始めると... 

ソルフェージュ(聴音、視唱、リズム課題)が大好きなRさんは途端に生き生きとし始め、楽しそうに課題をやってくれました。それで元気がでたRさんは、その後のピアノのレッスンでも絶好調!

 

レッスンの終わりにはいつものニコニコのRさんに戻り、元気に挨拶をして帰っていきました。

 

🍀いつも生徒さんが無意識に出しているシグナルを敏感に感じ取ること、そしてできるだけそれに寄り添っていけることを大切にしていきたいと思っています。

|小学1年生のKちゃん お母様との会話が教えてくれるもの ~より深い理解へ~

いつもお母様付き添ってレッスンに来て下さるKちゃん。お母様とは、レッスンの前後によく学校での出来事や他の習い事についてお話をします。ピアノ以外の事で気になることがピアノのレッスンにも通じる事だっだりします。

 

とても朗らかなKちゃんですが、レッスンに通い始めてしばらくは緊張のためか、玄関からレッスン室にくるまでの動作がとても慌てているというか、カクカクした不自然な動きだったのです。

 

初めは、私の方が出来るだけ落ち着いて慌てないようにし、見守っていました。でもある時、その動きが取れれば本当は落ち着いてレッスンに迎えるのでは?と思ったのです。

 

それで、「ちょっと立ってみて。」と声を掛け、肩をつかんで力を抜かせてからうつむいてもらい、手を振り子のようにぶらぶらとする動きをしばらくやりました。その後には深呼吸をしてもらい、再びピアノの前に座ってもらいました。

 

「慌てなくても大丈夫だよ、ゆっくり動いてごらん。」と話すと、お母様が、「ええ、スイミングでもそうなんですよ。なんかちゃんと考えなくて、動きが先にきちゃうというかバタバタしてしまうんですね。」とおっしゃるのです。

 

Kちゃんは、手のぶらぶらと深呼吸をした後はなんとなく不思議そうな顔をしていましたが、その日はいつもよりレッスン中の私の話がしっかりと聞けて練習にも集中できました。

 

それからのKちゃんは、慌てずに落ち着いてレッスン室に入って来てくれます。そしてレッスンも落ち着いて受けられるようになり、これまでよりもいい練習が出来るようになって来ています。

 

お母様に、「最近のKちゃん落ち着いて動けてますよね。スイミングとかではどうですか?」とお聞きしてみると、「ああ、そうですね。落ち着いていますね。」とおっしゃっていました。

 

🍀レッスン中だけではなく、生徒さんがレッスン中はもちろん、レッスンの前後に話してくれるお話から「どんな時にどんなことを感じているのか」、そしてお母様からお聞きする事から見えてくることなどを見逃さない事がとても大切だと日々感じています。