前回は、ピアノを弾く上でとても大切な姿勢について書きました。
レッスンでは、ピアノの前に座っているだけではありません。
譜面台やピアノの前に立ってリズムや譜読みの練習をやったり、小さな生徒さんはリトミック的な課題に取り組んだりしますが、やはりこの時にもしっかり立っていることが出来ない事があります。
|自分で姿勢を保てる機会を少しずつ
「じゃあ、今度は立ってリズムを叩こう。」と譜面台の前に来てもらうと...
しっかり立っていられるのはわずか数秒。
すぐに机に肘をついてぐにゃっとした姿勢になってしまったり、ドアや壁にもたれてすりすりしてしまう。立ったばかりなのに、すぐに近くの椅子に座ろうとしてしまう事も...
子どもというのは、じっとしていられないのが普通。そしていろいろなものに触れて確かめながら自分の周りの世界を認識、理解していくものだと思っています。だから、動いて、触って確かめるということも見守ってあげる。
そして、その子のレッスンでの様子を見ながら、落ち着いて座って課題に取り組んだり、姿勢を保っていられる機会を少しずつ増やしていきます。
|手首が怠けてる⁉
音符を覚えたり、リズムが理解できて叩けるようになってくる。そして片手で知ってるお歌のメロディーが弾けるようになってくると...
「あれあれ?○○ちゃん/○○君の手首が怠け者だよ~」
手首が下がり気味になるお子さんは多いのですが、中には完全に手首をピアノの鍵盤の縁にのせた状態で弾いてしまう生徒さんも。これには、さずがにちょっとビックリ💦しましたが...
でも、自然なよい姿勢で座るのだって難しいのに、手首を保ったまま手を構えるということはなかなか難しいことでしょう。
|ピアノを上手く弾くために大切な手首
まだ簡単なメロディーをゆっくりと弾いているうちは、手首を下げてなんとか弾けてしまえていても、だんだん曲が進んでくるとその状態では難しくなってきます。
指の独立した動きを習得するのはなかなか難しく、多くの生徒さんが手首からグイっと鍵盤を押してしまいます。
指は棒のような動きになり、弾いた指以外の指が跳ね上がって天井の方を向いてしまいます。
そうすると、次の音を弾くためによいしょと上を向いた指をまた戻さなければならないので、トツトツ...とした1音1音の動きになってしまってなかなかテンポもあがらず、滑らかなメロディーに聞こえません。
指の独立した動きを習得するためには指の関節で支えることも大切なので、それぞれの生徒さんの手や指の発達の具合を見ながら、少しずつ丁寧に取り組んでいきます。
がっちり固まった手と指では固いガチガチの演奏になってしまい、反対にふにゃふにゃの指で弾くとちゃんとした打鍵ができず、音が出なかったり、よろめいたような演奏になったりとなかなか難しいのですが...
まずは、手首が「怠け者」にならない、”ビックリ~”の手になって指がお空を向かないということがどういうことなのかを意識出来るようにしていきましょう。